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主要な事業について、外国金融機関と協調して資金調達の広範なシンジケートをつくること、あるいはイギリス流の慎重なアプローチの仕方で対応しているという事情がある。
一般的に金融サイドに対する打撃は大きかったが、危機的なものではなかった。
このダメージは、持別の手段を講ずることなく、通常の金融業務のなかで解決された。
商業用不動産市場のクラッシュに対して特段の制度的、行政的対策があったわけではないし、不良債権について特別な信用保証の対策がとられたわけでもない。
もちろん、不動産価格の不落によって損失を被ったいくつかの金融機関では、会計システム、株取引と不動産評価事務などに自主的な業務処理上の対応が図られた。
その場合の不良債権処理の中心的手段は、第一になるべく早期に不良債権を償却すること、そしてもちろん、不動産の収益をできる限り確保することであり、一九九三年、九四年の不動産収益の低下の後は、価格が回復するまで不動産を持ち続けることだということである。
以上のように先進諸国の動きを詳細に見るとき、不良債権問題で大きく立ち遅れ、悲劇的状況に陥っているのは日本だけであることを痛感せざるを得ない。
譲渡課税の緩和などの措置は、優良資産の流動化を進めるかわりに含み損を抱えて、譲渡益のない不良資産の流動化をますます困難にしてしまう。
ではどうすればいいのか。
三〇兆円の公的資金投入策金融不安が深刻化する中で、九七年末に一〇兆円の公的資金投入策などを盛り込んだ不良債権対策が打ち出されている。
一〇兆円はあっという間に三〇兆円に拡大されて、大量の公的資金を投入して金融機関を救済するということになってしまった。
バブルの崩壊の後七年もの問、その場しのぎで先延ばしてきたあげく、切羽詰まったからといっていまさら何をかいわんやである。
住専処理の大騒ぎの際、「後の不良債権処理に公的資金、税金は投入しない」と公言しながら、とどのつまりは大量の税金を金融不安の解消という名目で倒産金融機関に投入しようとするものだ。
そんなことなら最初から投入しておけば不良債権の拡大は防げ、もっと早く解決の道はついていたはずなのだ。
バブル崩壊後の経済再生のシナリオを欠いた上に、政府、金融機関の、その場しのぎ、問題宰躍り体質が、事態をここまで悪化させてしまったのである。
しかし、この期に及んでも不良債権の根本的解消の見通しは立っていない。
今度の対策は、預金保険機構に根拠不明ないわば「掴み金」である一〇兆円の国債を交付して、金融機関が倒産したときにこれを現金化して預金の支払いに当てることを保証することで、預金者の不安を解消するというものだ。
さらに緊急金融安定法ということで、財政資金の一〇兆円に加えて、預金保険機構が二〇兆円の政府保証債を調達して、一七兆円を金融機関が倒産した場合の預金者に対するペイオフの資金に充て、二二兆円で危殆に瀕した金融機関に対して預金保険機構が劣後債なり優先株を購入することで金融不安を防ごうということのようである。
金融システムの維持という名目で不良金融機関を救済する色合いが多分に強い。
そもそも、一小良債権問題は、現在の日本の経済社会にとってはブラックホールともいうべきものになってしまっているのである。
この解決の旦通しのない中では景気対策として減税だ、公共事業だ、規制緩和だといってもその効果はすべてブラックホールに吸い込まれて、経済再生の効果は上がりはしない。
経済社会の撞造的転換が進む中では、従来のやり方を何度繰り返しても不況脱出の効果は期待できない。
現にバブル崩壊以後五年間に六〇兆円もの経済対策が出され、三〇兆円を超える公共投資を実行しても景気の浮上はなかったではないか。
三〇兆円の公的資金の投入という今回の不良債権対策も、ブラックホールの拡大は防げても、穴を完全に埋めることまではできはしない。
問題を解決するには、返済不能になった不良債権を帳簿上で処理するのではなく、その背後にある膨大な不良資産をいかにして流動化させ、有効利用して資金を回収するかという仕組みをつくらなければならないのである。
三〇兆円の公的資金にしても、最終的に不良債権を国に飛ばそうとするだけの仕組みで、不良債権、不良資産の処理問題の根本的解決にはなっていない。
大蔵省の発表では、金融機関の償却が進んで不良債権は九五年三月発表の四〇兆円から九六年三月には二九兆円に減ったということになっていた。
その後の発表ではどんどん増加し、結局九八年七月一七日には、銀行や信用金庫などの預金を取り扱う全金融機関のム旦引で八七兆円であると金融監督庁が発表することになった。
しかしそれでもその背後にあって有効利用しなけれならない。
不良資産の実態は全く見えていない。
それがわからなければ対策は立てようもあるまい。
バブルの主の不動産業と建設業の借入金、有利子負債で不良在庫、不良資産を推定しても、その規模は想像を絶するほど大きい。
それが、今のゼネコン危機、不動産業の倒産の最大の要因である。
現時点で不動産業が金融機関から借り入れている有利子負債は、都銀・長銀・信託銀行から四三兆円、地銀から一八兆円、信用金庫から九兆円、生保から三・五兆円、さらにノンバンクから二九兆円、住専から七兆円で、合わせると二〇兆円を超える。
建設業でも四七兆円、二つの業種だけで一五〇兆円を上回っている。
個人や他の業種の企業への資金で土地不動産に回ったものを含めれば、さらに規模は大きくなろう。
この借入残高のうち三分の二は、一九八五年以降のバブルの時期に借り入れられたものであるから、その大半は地上げ跡地や、空マンションのように使われていない不動産に投資されていると思われる。
解散した住宅金融専門会社の資産総額二二兆円のうち半分が回収不能だったという現実を思い起こしてみてほしい。
まごまごすると不良債権の総額は一〇〇兆円を超え、このまま放っておいて、その不動産が有効に使われなければ貸出金の全額が不良債権になってしまう危険もあるのだ。
なぜ不良資産は流動化しないのかなぜ、不良資産は流動化し、有効利用されないのか。
その理由は第一に、低落したといっても、なお現在の地価水準が高すぎて採算性に欠けることである。
会後の不動産市場においては、投機は消え、その不動産から上ってくる収益でしか利益を確保できないということはまちがいない。
賃料収入などで利回りが確保できなければ、新たな投資が生まれるはずがないのである。
買い手がいなければ動きようがない。
低成長下で収入の伸びが期待できない以上、一定の利回りを確保するには取得原価、つまり地価を引き下げるしかない。
流動化させるための条件とは、まず、第一に地価水準を投書箱回りが確保できる水準に引き下げること、すなわち収益還元価格に回帰させることである。
これらの土地を使えるように整理、整地、交換分合、区画整理などを積極的に進めて、地上げを完結させなければならない。
不良資産は無計画に地上げし、その途中で放棄されたものであるから、物理的に利用ができない不整形地、虫喰い地ばかりであることは、町中に散在している土地を見れば容易に想像がつく。
放置しておいたら永久に使いようがない腐った物件である。
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